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変わっていけたらいいとおもう。だから、約数の和をもとめた。 風が強いのはおもしろい。春はとくに。まるで海水だ。飲みこみすぎるとお腹がへんになる。もぐったほうが安全で、膝をかかえて、回ってしまいたいけど、ぐっとこらえる。 一度でいいから、ミミズになって、土のなかをながれる空気をみたい。はじから先っぽまで、あっというまに、なでてくれるんだろう。布団を、ふわふわにしてくれるんだろう。
ぼくには、わからないお話で、ぼくにはできない音で、「グーとシュー」で、笑うひとたち。 台なしにしないように、二階で、こっそり、ほっぺをいたくする。 影をうっとりおもうとき、わたしはそれにふれられないんだと、気がついた。
いいにおいの毛布に顔をあてて、夏のことをおもう。正確には、夏の、濃い影のこと。 今朝、おかあさんと(それぞれべつの)自転車にのって、パン屋さんにいった。おかあさんの後ろにつく。追いぬかさないよう気をつけなきゃとおもっていたけど、おかあさんはぼくがそうしようとしないかぎり、追いぬかされないないような速さで走っていた。 パン屋さんで、おかあさんはアップルパイとカレーパンを、ぼくはクロワッサンを選ぶ。焼けた茶色が、並んで光っていた。あれは、卵白のせいなんだよって、小学生のぼくがいう。復習のため。いつか、何か、ぴかぴかにするため。 運動公園のベンチで、それぞれのパンをかじった。桜のもこもこは、止まるとみえなくなる。木は、触れると痛い。見上げるなら、通りすぎていたいのだ。 ベランダのある部屋にうつった。前より外で、眠りやすくなる。うれしいな。本だって読める。音楽も聴かれる。外気で冷えた布団をひきずって、また、部屋に帰る。 みさとさんのことをおもう。みさとさんだけがつれてる、影のこと。そこにいること。それを、揺らす風のこと。
部屋のなかで、虫をみた。羽をつかって、飛んでるんだとおもう。わたしにだけ、みえるんだったら、いいのに。うっとおしくて、おかしくって、けらけら、わらっちゃうんだろうな。 なんかいも、横切って、うえへうえへあがるきみ! かなしい夢から、ひとりきり、ほっぽりだされたとき、暗がりに、きみがとんでいたら、どんなにうれしいだろう。 みんなには、まだ、みつかっていないみたい!
ヤマモモの木と、サイの皮膚が、似ていることにきがついた。いっぺんにサイをきにいる。うらやましく、よこめでみてた犀の字は、ますます、ぴったり。 庭に、サイがいる。てのひらで、ざらざらうごく細胞に、ふれて、うでをまわす(それから、からだは、くるんとまわる)。右の頬をいっしょにして、みあげると、いくつもの耳がそよいでた。ざわめいて、つやつやになんない、皮膚たちの夜。