ヤマモモの木と、サイの皮膚が、似ていることにきがついた。いっぺんにサイをきにいる。うらやましく、よこめでみてた犀の字は、ますます、ぴったり。

庭に、サイがいる。てのひらで、ざらざらうごく細胞に、ふれて、うでをまわす(それから、からだは、くるんとまわる)。右の頬をいっしょにして、みあげると、いくつもの耳がそよいでた。ざわめいて、つやつやになんない、皮膚たちの夜。