居候15日目。
わたし以外の住人3人と食事したあとに、わたしひとりだけスイカを食べた。いらないと言われたら、遠慮してると思い込んで無理に押し付けずに、いるならいつでも言ってね、と言うことがたいせつなんだな。

風光は散歩の帰りに、家の近くの空き地でボール遊びをしようと誘ってくる。家のなかではほとんど寝てるけど、風光は走ったり登ったりするのがすきな犬だ。温暖化のせいで(それはここまで環境破壊を見過ごしてきた企業、国家、わたし、ひとびとのせいで)夜になっても気温が25度を超えてる。選択は習慣に支配されている。絶対でない消費行動をみつけては立ち止まりたい。これ以上、誰の権利も奪わず、また奪われないために。

夕方。空のあちこちで雲が立ち上がる。日本手話の「月」のような形の月。柿の種のピーナッツじゃないほうみたいな形の月が、途中で雲の色を変え、跳ね返り、蚊の脚を爪先まで照らし、わたしの産毛にあたり、跳ね返り、風光の踵にふれ、みえなくなるまで跳ね返る。