投稿

1月, 2021の投稿を表示しています
 ハイになれるものはこの世にたくさんあるね。 ことばのあとにダンスで、 ダンスのあとにことばで、 踊りながらことばを交わして、 てのひらを指でなぞると、くすぐったいでしょ? 集まった落ち葉を踏んづけて歩く。 風が墓石とわたしときみにくるくる巻きつく。 ハイになれるものはこの世にたくさんあるね。 ダンスのあとにことばで、 ことばのあとにダンスで、 踊りながら歌がきこえる。 おしえて、その歌をもっと聴かせて。 無理な願いなら、それに近いことをしようよ。 おしえて、きみのことぼくはなにもわからないから。 ハイになれるものはこの世にたくさんあるね。 ことばのあとにダンスで、 ことばのまえにダンスで 踊りながら歌がきこえる。 おしえて、その歌をもっと聴かせて。
怖くない話を怖がるわたしの無茶なリクエストをきいて、タバスコの話をしてくれたひとの優しさがわすれられない。 いつもよりずっと早口で、いままでにないくらい慌てた様子で聴こえてきたタバスコの話は、だけどきちんと形になっていた。わたしの怖い気持ちを受け止めて、やわらげる責任なんてこのひとには無いはずなのに。怖がるわたしがおかしいはずなのに。おどろいて、おかしくて、わかるようでわからなくて、笑った。わたしの笑いはしばらく止まらなくて、そのあいだも、友だちはタバスコの話を続けた。 どうしてあんなに優しいのかな。知ってることを、与えてくれる。優しくないときもあるのかな。反射運動だったのかな。 考えるふりをして、もらった炎に何度も手をあてにいく。柔らかな赤い熱が、暗い部屋のなかで揺れる。
しとしと雨をまってる。怖くてたまらない身体に重なる葉っぱをまってる。冷たくて重たい安らぎを求めてる。放り出せないから毛玉だらけの赤い靴下を履いて眠る。 紫色の空がそこにもあったこと。目と血の巡り。歌になってわたしの耳に飛び込む。さよなら。さよなら。別々だから出会えたね。
後ろに回って、ぼくがどれだけ嘘をついたか、みてごらんよ。それとも、わたしとおんなじで、そんなこと必要ないかな。 『スピッツ コンサート 2020 “猫ちぐらの夕べ”』をオンライン上映で視聴した。 このまま通り過ぎて、はだしのままじゃれあうことが、できないのだとしても構わないよ。スコップで掘り当てるつもりもない。きみのことがすきだよ。 風はまあるく吹く。