毎日島ができる。「君と僕」島。「神さまと僕」島。「ふたり」島。さっきまでただの道路だったところが急に「あなたと世界」島になる。びっくりして早足で抜け出すと真横で「猫」島ができて、生えた塀が耳を掠めた。
それらは実際のところ建物とか陣地に似ていて、それを島と呼ぶのはわたしが島しか知らないからだ。
部屋に帰っても島はじゃんじゃんできる。塗り絵みたいなものなのかな、とおもう。また足をどかす。

昨日から、「おいしーい」すいかを食べている。口に入れて、噛んだときにしゅうと萎むすいかがとくにすきなのかもしれないとそれを食べておもった。
それでも「すいか」島はできない。わたしは違う島にいる。

人間のことを覚えていられない。お風呂から上がって、母や父がいるといまだに驚く。「いっしょに住んでいたっけ」ではなく「実在していたのか」のほうで。「ほんとうだったのか」にも似ている。

「自他境界」やら「自他の分別」がはっきりしていないのだ。だから、「他者」に近づきたくない。侵害したくないのだ。こういうとき、忘れっぽいと都合がいい。

6月30日がすきだったな。7月にはいったけど、風は変わらず強いのでおかしい。ふふふ。