スイカを食べた。じゅうじゅうわたしの口に広がる。
スイカ、わたしがきみのことをこんなに愛おしくおもっているのは、きみを食べられるからなんだね。たっぷり。水っぽい、草の、甘い匂い。ぼくの嫌いだった蔦の匂いがする。鼻の先でそこにいるのかを確認しようとして、つんと触れる。だいすきだ。

毎日虫をみつける。昨日、このあいだ、みた虫のことをたくさん書きたい。知らせたい。振り返って、きみがいたらいいのに。
茶色い足。橙のテントウムシ。中身の出てしまった大きな毛虫。いつもちがう虫に会うんだよ。ぜんぶはおしえられないね。
きみにあと何回会えるんだろう?

月がたんたんとうえにいく。たんたんと自転するわたし。

フリージア。バッタみたいな、コオロギみたいな、黄緑色の虫。