海を舐めた。
ピンクネイビーグレーの道路をみつけに行きたくて飛び出たのに、いつのまにかお母さんを巻き込んでオレンジ色のつやつやを追いかけていた。階段はあちこち欠けていたけど、それもピンクに発光しているので問題なく駆け上がった。

そういえば家の階段も、机の足も、プルキニエ現象や卵色の西日のなかでは、障害にならなかったような気がする。そんなことをいって転けたらおもしろいな。だって、ただじっとしていただけかもしれないし。

オレンジのつやつやを目の前に持ってきて安心したわたしは岩のうえに座って、みえなくなっていく太陽のてらてらと、あち、こち、ぱ、ぱ、ら、はー、順番のない(あるのかも知らないけどわたしにはわからない。とは書かない。順番のことを理解したいとはおもわない)海水の騒ぎ。

特別なんかじゃないとわかってる。夜もそうしてる。でも波は眠たくならない。ぱ、ぱ、ぷ、はあ。