元気も涙もよくわからなくなった代わりに、子どもがずっと居座ってる。頼りなくてこころぼそい。子どもはわたしをぜんぜん寄せつけない。「どうでもいい」とか「くだらない」とか「わかんない」とか。考えないくせに母を楽しませる。父がふと笑う。わたしの出る幕がなくなる。

「年齢に比べて言動が幼い印象」。母に伝えると、昔はその逆だったと言われた。嘘つきで悲しくて怒られて怒ってばかりの「大人っぽい子」? いまは「素直」で「正直」だ。ほんとうかな。罪悪感と不安がずっとあるのに。

母に「ちびちゃん」「ちびた」と呼ばれるたび、そうだよ、わたしはそこにいたんだよとおもう。甘えるたび、部屋でうずくまったわたしが信じられない顔でこちらをみる。